鳥取県立 むきばんだ史跡公園

斧の石材を探る

2024.10.17

 妻木晩田遺跡ではこれまでに二十数個の石斧が見つかっています。
 弥生時代に使われた石斧には大陸から伝わり、大型で刃の先端が貝殻を閉じた‘ハマグリ’の形に似ている両刃の「太型蛤刃石斧(ふとがたはまぐりばせきふ)」と呼ばれる伐採用のものや、切り出された木材を加工するため四角柱や板状で先端が片刃となった「柱状片刃石斧(ちゅうじょうかたばせきふ)」、「扁平片刃石斧(へんぺいかたばせきふ)」と呼ばれるものがあります。石斧は木材の加工に必要な道具で、道具が鉄製に置き換わっていく弥生時代後期になっても現役の道具として使われていたようです。
 妻木晩田遺跡でみつかった石斧に使われた石がどこで採取でき、どこで加工されたのかについてはわからないことが多いため、石材研究を始めています。
 昨年度は、島根大学で岩石を研究されている先生に妻木晩田遺跡で出土した石斧を見ていただき、石材の種類とその石材がどのあたりで見つかるのか、を教えていただきました。
 石斧に用いられた岩石には何種類かあって、そのうちの閃緑岩(深成岩の一種)や片岩(変成岩の一種)、蛇紋岩(かんらん岩が水分の影響を受けて変質したもの)の産出地域の一つに日野川上流域が該当するようです。
 そこで、この6月から日野川上流の河原で、石材を確認する踏査を進めています。7月27日には日南町教育委員会の方から情報をいただき、蛇紋岩、片岩が見つかる場所を歩いてみました。
 現地では直径10~30㎝の石材がゴロゴロしていました。現地の石と遺跡から出土した石斧を比べると、長年土に埋まっていたことや風化の影響もあって、わかっていたのですが、肉眼で同じ石材と識別するのはやはり難しいと思われました(どうやって確認していくのか課題が残りました)。
 こういう状況ですが、日野川流域には閃緑岩や片岩などがあるようです。今後少しずつですが、石斧や石器に使える石材を確認していきたいと思います。
 新しい情報があれば、また報告していきます。よろしくお願いします。

 石材を探した場所の様子石材を探した場所の様子

石を観察してメモをしています石を観察してメモをしています

太型蛤刃石斧(復元品)と発掘調査で出土した石斧太型蛤刃石斧(復元品)と発掘調査で出土した石斧※中央:太型蛤刃石斧(2点)、左下:扁平片刃石斧