鳥取県立 むきばんだ史跡公園

むきばんだ弥生のものづくり講座「ガラス勾玉づくり」

2024.07.12

むきばんだ弥生のものづくり講座「ガラス勾玉づくり」を行いました。
当園が日頃実施している滑石を用いた勾玉づくりは経験済みの方がいましたが、ガラスを融解して作るガラス勾玉を作るのは初めてという方がほとんどでした。
ガラス勾玉づくりは長年の研究を重ね、少しずつ成功率が上がり講座という形でみなさんに作っていただけるようになりました。
この日は雨が降り湿度も高く、ガラスを溶かす温度に達するまで時間がかかるため難易度の高い講座となりました。

所長挨拶

ガラス粒をついつい山盛りに盛りたくなるところですが、ここで大事なのが「欲張らず盛りすぎない」ことです。
皆さん盛りたい気持ちをぐっと抑え鋳型に綺麗に盛られていました。
鋳型の準備

今回はガラスを融解させるために七輪を使いました。
ガラスの融解では七輪の温度を上げるため鞴(ふいご)を使用して送風します。
七輪に鞴で送風する

ガラスが溶けきった後は、ゆっくりと冷ましていき、いよいよ蓋を開ける時が・・・。
ドキドキしながら開けてみると、綺麗に溶けているガラス勾玉が並んでいました。
中には溶けきらず沸騰してしまったガラス勾玉もあったので再挑戦し無事成功。
複雑な色合いのものや透明の勾玉にブルーが溶けたお洒落な勾玉に仕上げた方もおり、個性溢れるガラス勾玉に仕上がりました。
溶けたガラス勾玉

気象条件が悪くスタッフも内心ヒヤヒヤしておりましたが、なんとか皆さんにガラス勾玉をお持ち帰りいただけました。
また特別体験として、ガラス勾玉を留め具にしたブレスレットづくりも行いました。
ブレスレットづくり

参加者の方からは「弥生時代の人がとても大変な思いをしてガラス勾玉づくりを作っていたことが分かった」というお声や「弥生時代に思いを馳せながら楽しい時間を過ごせた」という感想をいただきました。

今回は、温度計を使用し七輪の温度が700°になったのを確認し、タイマーで10分間計った後、溶けているか蓋を開けて確認をしました。
現代では文明の利器を用いて温度の確認をすることができますが、弥生人がどのようにしていたのかは謎なんです。