鳥取県立 むきばんだ史跡公園

むきばんだ女子考古部第4回活動を行いました!

2024.12.18

 12月1日(日)にむきばんだ女子考古部第4回活動を行いました。今回は「遺跡見学ツアー」をテーマにし、園外に出かけて県東部・中部に所在する遺跡や展示施設等を巡って学びを深めました。第4回活動担当の部員さんたちがコース設定やしおり作成などの準備をしてくださり、移動中の車内でも遺跡解説やリクレーションで盛り上げてくださいました。

 最初に訪れたのは山名寺(倉吉市)の境内に所在する、国指定史跡の三明寺(さんみょうじ)古墳です。

 山名寺は室町時代の延文4(1359)年に、伯耆国の守護であった山名時氏公によって創建されたとされ、近くの丘陵上には山名氏の居城とされる田内城跡もあります。山名寺の伽藍横にある小路を登って現地に向かうと、古墳の手前に山名時氏公の墓塔もあり、苔むした石塔が歴史を感じる雰囲気を醸し出していました。

山名寺
山名寺
山名時氏公の墓
山名時氏公の墓
三明寺古墳
三明寺古墳
三明寺古墳到着。巨大な切石の玄門が見えます。
 山名寺平野住職のお話
見学中に山名寺のご住職がおいでになり、資料をいただいた上に解説までしていただくサプライズ!

 三明寺古墳の次は、県指定史跡の福庭古墳(倉吉市)に向かいました。福庭古墳は、波波伎(ははき)神社の社叢内に所在する古墳です。面積が約1.7haある社叢には、地域の原植生であるスダジイを主とする照葉樹林の自然林が広がり、国指定天然記念物に指定されています。林の熟成した部分では樹高が25mに達するスダジイやタブノキの巨木が混生しており、古墳の周囲も胸高直径が1mを超えるスダジイやタブノキの巨木に囲まれています。

 玄室の奥壁に一部赤色塗彩の装飾があるということで、部員の皆さんが目を凝らして見てみましたが、残念ながら確認できませんでした。

福庭古墳
古墳の開口部とスダジイの巨木
福庭古墳

 古墳2基を見学した後は、鳥取市青谷町にある「あおや和紙工房」に向かい、工房内にあるcafe Berryでランチをいただきました。美味しく、リーズナブルな価格のランチで大満足です。

ランチ

 昼食後は、今年の3月に国史跡青谷上寺地遺跡内にオープンした青谷かみじち史跡公園を訪れました。建物はガイダンス棟と重要文化財棟があり、施設の職員の方にガイダンス棟の常設展示、重要文化財棟の重要文化財展示、企画展示についてそれぞれ詳しく解説いただいた上、体験学習室や眺望デッキなどの施設内設備も案内していただきました。

青谷展示解説 青谷重文展示 企画展示 青谷重文展示

 行程の最後は、湯梨浜町羽合歴史民俗資料館を訪れました。今年は長瀬高浜遺跡発見50周年にあたり、令和の発掘調査を継続中です。資料館では、長瀬高浜遺跡とその出土品を紹介する特別展示「砂とうみの物語―砂丘に消えた大集落と埴輪の謎―」を開催中でした。 実はこの特別展示の会期は当初11月24日までとなっており、女子考古部の見学日には残念ながら見学できないと思っていましたが、大好評につき大幅に会期が延長されることになったため、幸運なことに展示見学をすることができました。さらに、令和の発掘調査を担当している鳥取県教育文化財団調査室の君嶋室長が特別に展示解説をしてくださり、長瀬高浜遺跡とその出土品に対する理解が大変深まりました。

 好天にも恵まれ、大満足の一日となりました。

君嶋室長解説 歴史民俗資料館展示 歴史民俗資料館展示 歴史民俗資料館展示